イージースラブ橋とは、孔あけ加工を施したH形鋼を並べて架設し、下フランジ間に桁下面型枠を桁上面側から設置、H形鋼の腹板(Web)に設けた孔に横繋ぎ鉄筋を通してその両端をナットで留め、桁上面鉄筋等を配置して桁間にコンクリートを打設して、橋体を築造する複合構造(SRC構造)の道路橋である。鉄道橋では、H鋼埋込み桁と呼ばれ以前から在来線を始め新幹線などでも用いられている。
イージースラブ橋には、次のような特徴がある。
・単純な構造
橋軸方向は、H鋼桁断面を鉄筋断面に換算したRC断面として考えて設計している
ため構造や計算が単純である。 橋軸直角方向は、
横繋ぎ鉄筋と桁上面鉄筋を主鉄筋としたRC断面として応力度の検討を行っている。
・低桁高・低コスト
低桁高の橋梁を低コストで実現できるので、都市部などでの低桁高が求められている
箇所 に適している。
・多様な平面 形状に対応可能
H鋼桁を扇状に配置したり、枝桁を取り付けたりすることが比較的容易であるため、
交差点付近の橋梁によく見られる複雑な平面形状 (台形や隅切りなど)に対応が
可能である。
・容易な施工、短い現場工期
現場架設には特殊技術がほとんど不要であり、施工が容易である。 また、場所打ち
形式の橋梁は支保工が不要な為、従来橋種に比べても 短期間で施工可能である。
施工手順は次の通りである。
① ゴム支承・変位制限装置を設置する。
② H鋼桁をトラッククレーン(またはラフテレーンクレーン)で架設する。
③ 桁下面型枠を桁上面側から挿入し、下フランジ間に設置する。
④ 横繋ぎ鉄筋をH鋼桁ウェブ孔に通し、両端をナットに設置する。
⑤ 桁上面鉄筋・拘束鉄筋・側部型枠等を組み立てる。
⑥ 橋体コンクリートを打設・養生する。
⑦ 地覆鉄筋・型枠を組み立てる。
⑧ 地覆コンクリートを打設・養生する。
⑨ 防水層及び舗装を行い、防護柵(高欄)を設置する。
⑩ 舗装目地工を施工し、施工を完了する。
・狭小箇所での施工
主桁にはH鋼材を使用しているので桁重量が軽量であり、桁の取り扱いや運搬が
容易である。したがって、狭小箇所での施工や架設現場までの 道路事情が比較的悪い
場合などに対しても適用性が高い。
・分割施工
分割施工が可能であるため、現道交通を切り替えながら施工することにより、迂回路
や仮橋を省略することが出来る。これにより建設コストや 周辺環境への影響を最小限
にすることが可能である。
・ミニマムメンテナンス
H鋼桁には溶融亜鉛メッキ処理やアルミ亜鉛溶射などの耐久性の高い防錆方法を採用
しているため、メンテナンス費用が少なくてすむ。
ジョイントレス構造が採用可能なため、建設コスト及び維持管理コストの縮減、
走行性向上、支承周辺への漏水がなくなることによる耐久性向上 などが図れる。